Wednesday, January 30, 2008

番外編3 プエルトリコその1



ニュージャージーの冬は寒い。。アメリカ中西部のように連日マイナス20度ではありませんが、マイナス10度くらいになる日もしばしば。

そこでいざ南国 へ! 避寒旅行が冬休みの定番です。さて、その避寒。アメリカだからハワイが定番かと思いきや、プリンストン最寄りの国際空港ニューアークからハワイは何と 8000km。日本からハワイは6200kmなので、とてつもなく遠いことがわかります。

そこで、アメリカ東海岸の避寒はハワイでなくて、大西洋側のリゾートということになります。フロリダ中南米、カリブ諸国。選択肢はいっぱいあります。


自分は中学生の頃から何故かラテン系ボンゴコンガカウベルギロを演奏すると時間を忘れてしまいます。2−3クラーベがいつも頭の中に鳴っています。

ラテン音楽メッカは、カリブ海最大の国、キューバ。せっかくならココに行きたいのですが、この国、アメリカとの関係が長年宜しくない。キューバに行きたくとも米国再入国を拒まれてはたまらないので、アメリカに住んでいる間はお預け。

代りのベストラテン系な国に是非行きたい。考えたあげく、サルサの第2のメッカでボンバの発祥地、プエルトリコに決定!

ここは実はアメリカ領。
ニューアーク国際空港の国際線乗り場にパスポートを持って勇んで行ったのですが、「お客さま、プエルトリコは国内です。ここではありませんよ」と言われ、 軽くショック。さらに4時間くらいのフライトを経て南国の島に辿りついたというのに、何のチェックもなしに空港外に出られてしまい、またしてもショック。 本当に国内なんだと実感した次第です。

つい最近までは、カリブの国々のほとんどへアメリカ人はパスポートなし、運転免許証だけで行けたのだそう。テロのご時世でそれは変更されて、アメ リカではパスポート特需が起こったのだとか。
このご時世でもアメリカからパスポート無しで行けるのがUS バージン諸島プエルトリコ。アメリカ本土からヒトがどっと押し寄せて来ます。

それにしても暖かい。真冬なのに汗ばんできます。太陽もジリジリ。おぉこの夏の太陽を浴びるためにここまで来たんだと実感します。

プエルトリコの首都サンファン。このサンファンの古都の部分をオールドサンファンといいます。オールドサンファンはカラフルな建物のオンパレード。渡辺篤史氏が探訪してきて「ほー、街ととけ込むパステルカラーですか。奥さんこりゃぁ幸せだ。」といってそうです。





このサンファンのぶらり旅、次回から始まります。どんな食、音楽、文化に出会えるのでしょうか。
お楽しみに!

Sunday, January 27, 2008

番外編2 アムステルダム2

前回も登場したVan Dobben (Korte Reguliersdwarsstraat 5-7-9 Telefon 24 42 00)の外観。

ここの名物はこの生肉のシンプルなサンドイッチ。左右に座っている地元の人々が何個も注文。食べない手はありません。

こちらは所変わって、Haesje Claesの生ニシン料理。これは出会いでした。オランダを訪れる日本人はコレを食べなければイケマせん。ちなみにHaesje Claesは創業1520年の超老舗。500年近い年月の年輪か、建物が不思議な角度で傾いてます。


この生にしん、専門店(専門の屋台)が街のあちらこちらにあります。ここだと、Haesje Claesよりもずっと安くにしんを味わえます。

さらにスーパーマーケットのahでは、お惣菜(というかおつまみ)としてやはりあの生にしんが。これはさらに安い。





アムステルダムでは飾り窓を活用したWISWIG(what you see is waht you get)の徹底したマーケティング手法が多く見られます。

食材屋さんはこんな飾り窓。



服屋さんはこんな飾り窓。町中なのにデパートの婦人服売り場のフロアのよう。



ファストフード店もこんな飾り窓でWISWIG をやっています。


路面電車の脇にあるオランダドーナッツのスタンドでもWISWIG が展開中。思わず購入。まんまとはまります。

個人宅のアパートも居間を外から見えるようにするのがアムステルダム流なのだとか。中がどうなっているのか外から分かる窓の文化。商売を超えて、生活にまで及びます。
お部屋をいつも整頓しておかなければいけません・・・What you see is how we liveといったところでしょうか。


コーヒーショップはさすがにマリファナのWISWIGはやっていない様子。「お酒は出しません」という表記が目印です。



生ニシンの次にアムステルダムで旨かったのは、何と中華WOK。街のあちらこちらに似たような中華WOKのチェーン店が並んでいます。メニューはチャーハンと焼きそば。注文すると、目の前で炎の料理人が中華鍋を振ってくれます。おすすめのお店はWONDER WOK (Lange Niezel 4)やWOK to Walk (Leidsestraat 96) など。お店のチェーンは違っても味は同じ感じ。店は青山あたりの洒落たカフェ風でもあり、アメリカの中華料理店とは全然違います。

おすすめメニューはオイスターソース味のチャーハン。東洋人な自分を感じます。チャーハンは自分のソウルフードです。

ヨーロッパを感じさせるシャープでお洒落な公衆電話。アメリカとも日本とも違います。
何故が多い、アルゼンチンステーキの店。

社会科見学を終え、宿へ・・・






ahの生ニシンとアムステルビールで乾杯。
明日の仕事に備えます。


Monday, January 21, 2008

番外編1:アムステルダムその1(PG13)


(注)今回の内容はPG-13です。不快な内容、相応しくない内容である可能性がありますので、ご注意ください。



日本の世界地図では分断されていてわかりにくいですが、大西洋は太平洋よりもかなり狭く、ニューアーク国際空港から5時間くらいでヨーロッパの主要都市に着いてしまいます。
先日、仕事で夜行便でアムステルダムに飛びました。ジェット気流がとっても強く、さらに飛行時間が短縮。じっくり寝る間もなく、心の準備のないまま初めての大陸ヨーロッパの地に足を踏み入れました。

到着は現地午前8時頃。シベリアの中心あたりと緯度が同じここの冬の朝8時は、プリンストンの朝6時の雰囲気。やっと東の空が明るくなってきたところです。

巨大デパートのようなシュポール空港の構内を抜けて鉄道に乗ろうとするものの、周囲の表記はオランダ語。切符の買い方一つわかりません。自分が「外人さん」なのを感じます。やっとのことでクレジットカードが使える、英語表記可能な自動販売機を発見。早速使ってみると、「PINナンバーを入れてください」といってきます。アメリカではクレジットカードのPINナンバーなんて訊かれません。またしても「外人さん」な自分。これでは宿に着くことすら怪しい。。。

困ったときはひらめきが大切。「銀行のデビットカードはつかえるかも」そう思いつき、最初の難関を通過、自販機はデビットカードをクレジットカードとして認識して、デビットカードのPINナンバーで無事に切符を買うことができました。

次なる難関は、列車の乗り方。土地勘がないだけでなく、ホームが沢山ある上に、○○aattみたいな、英語にないスペルの駅名が沢山並び、どう発音したら良いかすらわかりません。

困った時は何でも訊くことも大切。早速、案内所に行き、かたことオランダ語で行き先を訊こうとしたところ、「英語でどうぞ」との返事。

そう、街中の表記も人々の会話もオランダ語ながら、オランダ人はほぼ全員が英語を流暢に話すのです。これならサバイブできそうです。一安心。

英語で乗るべき列車と切符の提示方法と確認して早速ホームへ。ホームでは迷える外人サン達が大勢あふれかえっています。

自分があまりに確信をもった感じで列車に乗り込もうとしているのを見て、ホームにいた外人さんの1グループは「切符はどう買ったらいいのか」と訊いてきました。到着して30分足らずでオランダのことを人に教えてあげるというシチュエーションになりました。

列車が発車して間もなく、車内で車掌の検察を受け、空港から2駅、宿と仕事先のあるRAI駅に到着です。
ところがホームに到着したものの、10秒あまり扉が一向に開く様子がありません。おかしいなと思っているうちに、外から誰かがボタンを押してドアを開けてくれました。そう、この列車は昔の上越線みたいにボタンで開ける方式だったのです。またしても「外人さん」な自分を発見。

RAI駅。扉は自分で開けましょう。
宇宙に飛んで行きそうな駅のエレベーター。



時差ぼけがそれなりにあるので、少し日が高くなるまで昼寝をすることにしました。
。。。。ところが、いつまで経っても朝か夕方の日差し。そしてあれよあれよという間に、本当に西日になってきました。そう、ここの冬は太陽の南中高度がとても低いのです。明日から徐々に仕事が始まるので、アムステルダムの街をしっかり理解するのはこの初日しかありません。
まだまだ朝と思っているうちに、夕方になっていた街に早速(遅まきながら)繰り出します。

アムステルダムは路面電車と自転車の街。道幅は狭く、アメリカよりは日本に近い雰囲気です。この街の道は自動車の発明よりも前に完成したものなのでしょう。
路面電車に乗って10分、外を見ていると賑やかな市場らしきものを通り過ぎました。「ぶらり旅」ゴコロをくすぐります。早速、後先考えずに下車希望ボタンを押して次の停車場で下車。足早に先程の市場へ向かいます。期待に胸が膨らみます。ここは、Albert Cuyp Market。非公式ながら、全欧最大の屋外市場なのだそう。欧州の香りのするアメ横といった印象です。
山の幸が量り売り。

北海の新鮮な海の幸も並びます。何でも揃います。

ここが地元だったら毎日通って料理したいところ。
1キロくらい続く市場を抜け、博物館が並ぶmuseumplein地区へと向かいます。どこからどこまでが一つの建物なのかわかりません。。。
東京も参考にしたい、整ったスカイライン。日照権も平等です。
チャリンコ事情はどこかの国の駅前と同じ。
写真にはないのですが、家の前にクレーンが立っていることがしばしば。この建物の作りなので、大きな荷物はクレーンを使って屋上から入れているらしいです。
いよいよmuseumpleinへ。街角にはオランダドーナッツを売るスタンドがあります。雨風が辛い、湿った欧州の冬の夕暮れです。

museumpleinはこんな感じ。ゴッホ美術館へ行きました。
撮影禁止だったので写真はありません。

ゴッホの自画像から発される鋭い視線は、ゴッホと自分の頭がその視線で直接繋がったような感覚を憶えさせるもので凄かったです。印刷物でなく、実物を見ることおすすめします。
ゴッホの手技そのものはミレーなどと比較して全く洗練されたものではないと思うのですが、そのタッチのパワーと不思議な色使い、点画技法にはもの凄いものがありました。
でもこの美術館で一番印象に残ったのは、ピサロの描く農村の街道の絵でした。

ゴッホ美術館で唯一撮影が許された芸術。トイレの蛇口。ヨーロッパのデザインセンスの良さがなかなかです。

アムステルダム中央駅。centraal station. スペルミスではありません。aaはオランダ語で普通なんだそうです。
centraal stationの中央通路。「東京ばなな」「ひよこ」「鯵の押し寿司」を売っていそうな雰囲気です。
湿った冬のあまりの寒さに、駅前のレストランに吸い込まれました。Park Plaza Victoria (1012 LG Amsterdam)
本場でコレを一杯。味は日米と一緒。ある意味、品質管理がしっかりしているということでしょう。
ビールのお供は鹿肉のシチュー。甜菜料理が添えられています。このレストランのWCでも粋なデザインに出会いパシャリ。怪しまれないようにしなくてはなりません。
でも、ホント良いデザインです。
レストランで暖を取り繁華街を社会科見学です。
有名な赤い街、「見るだけ」社会科見学。文化人類学です。

ふと振り返るとなにやらボックスみたいなものに内向きになって寄って立っています。
何かと思って近づいてみると。。。
なんと、青空公衆便所でした!失礼のないように上記写真は人がいない瞬間です。ココは社会科見学、早速試して見ようとしたものの、落ち着きません。。。。早々にこれは諦めました。

足早ながら、赤い街を社会科見学。そのあっけらかんとしたビジネスに、ある意味健全さすら憶えます。我々は一体なにを隠してきたのだろうとまで考えてしまうほどです。ここは明朗会計なんだそうです。
赤い街があるからこの国は犯罪が少ないのだとか。建前と本音でなく、本音で生きる国を感じました。

さらにこの街、コーヒーショップというマリファナを提供するお店が各コーナーにあります。副流煙がながれてくるので、実質、街を歩いているだけで吸ってしまっているのが事実。タバコよりも毒性が低く、習慣性が低いため、これを認めているのだそう。その代わり、たちの悪い、きつい種類のものは他国よりも遥かに厳し取り締まり、結局犯罪率を下げることに成功しているのだそうです。発想が異なるのですが、ロジックは通っています。凄い国です。
でも、マリファナと赤い街の組み合わせって何だか危なそうにも思えます。
開けて翌朝。仕事前に社会科見学の仕上げです。ここアムステルダムは世界一有名な日記、アンネの日記のアンネフランクが隠れて暮らした地。その隠れ家が一般に公開されています。この運河に面した食品会社の裏に外から見えない形で建っている家に2年間いたユダヤの人々の生々しい息づかいが聞こえてくるようです。
これは表の建物。裏の隠れ家は外からは見えません。

アンネフランクの隠れ家の前を流れる運河。
centraal station 外観。東京駅を参考にして立てられました。あ、いや、逆です。

ジプシーの人々が情熱的な音楽を奏でています。
市内電車。
改札もお洒落なデザインです。
お昼はエビコロッケパン。
この街は北のベニスとも呼ばれています。

この国の便器はハエとかロウソクとかが描いてあります。これだけで命中率が高まってトイレがきれいになるだそう。合理的。
朝10時なのに早朝のようなアムステルダムの町並み。

仕事初めの昼食は地元のハムサンド。
そして、定番のピー(豆)スープできまり。Van Dobben (Korte Reguliersdwarsstraat 5-7-9 Telefon 24 42 00)
濃くて刺激的なアムステルダム、、続く。